一般社団法人広島県溶接協会

広島県の溶接史(日本溶接協会広島県支部創立40周年記念誌より)

3.産業別溶接の発展

3-3鉄鋼構造物
(2)化工機

昭和30年頃から瀬戸内沿岸に、石油コンビナートが建設された。
そのため広島県をはじめ、瀬戸内海沿岸では化工機工場が繁栄し、ステンレス鋼をはじめチタン・銅合金などを非鉄金属のライニング、クラッド鋼などの溶接法が、この地方で開発された。
この中には、爆発圧接や拡散溶接などの非溶融接合も含まれていた。

爆発圧接によるチタンのライニング 爆発圧接によるチタンのライニング

化学容器のライニング 化学容器のライニング

昭和50年頃からは、石油化学用及び原子力発電用の圧力容器には板厚200mm近い超厚板鋼が使用されている。
その溶接は従来は潜弧溶接でおこなわれたが、溶接量が多く、工期に長時間要するのみならず溶接欠陥の多発、寸法精度の保持困難などの欠陥があった。
それを補ったのは、バプコック日立で開発されたMIG狭開先溶接法である。
この方法は熟練した溶接工の発想を若い大学出の技術者が具体化したものと言われている。

狭開先溶接の効果(溶接断面の比較) 狭開先溶接の効果(溶接断面の比較)